12月7日の福岡高裁での差戻審に参加された大森秀久長洲町議から報告が寄せられました
有明海訴訟(請求異議控訴事件)報告書
2020年12月7日
大 森 秀 久
傍聴者が少なかったため(多分、12月議会が始まっている関係で議員の参加が少なかったからではと思っています)抽選なしで傍聴することが出来ました。
東京から支援に来ている、中山 眞理子 氏(元水産庁職員)と面識を得て名刺を交換し、熊本の活動について簡単に紹介しました。中山さんにも13日のチラシを渡しています。
話しをしている時に、支援する全国の会事務局長の岩井さんが見えましたので中山さんにも紹介し、12月13日のチラシ40枚を渡しました。
裁判(第4回口頭弁論)は定刻の13時30分に開廷し、控訴人である国側は、準備書面で開門の強制が被控訴人側(漁民)権利の乱用であると主張したのに対して被控訴人側から弁護士の吉野先生が陳述を行いました。(別紙参照)
審理は約15分で閉廷し、次回審理日を2021年2月19日(金)の13時30分から開くこととしました。
なお、本日付けの赤旗4面に、昨日の審理について写真入りで掲載されていますのでご覧ください。
報告集会では、最初に馬奈木弁護団長から発言があり、確定判決から10年が経過したが有明海の環境は回復せず、国の言い分では解決しないことがはっきりとした10年であったことや被害者は決して黙ることはない、安倍前政権、菅政権は何を考えているのか。間違ったことを平然と言い続けている。そしていまだに確定判決後に、国として判決に基づく事業に着手しようとしたが、現地住民の反対で出来なかったと言っている。
ならば、沖縄の辺野古はどうなのか、長崎の石木ダムの強制執行はどう説明するのか問いたい。ウソやゴマカシの説明を続けている。
次に法廷の状況について吉野弁護士から①国から漁獲統計の書面が出された。(準備書書面20)②国側のはぐらかしに対して弁論を行った。③国側は強制執行のどこが権利濫用なのか言わない。④あさりの漁獲についても有明海のことではない。⑤この10年で原告が58人から45人になった。(死亡者6)⑥この裁判で確定判決を守らないことを裁判所が認めてよいのかが問われている。ことなどについて発言があり、進行協議で4月28日(水)に審理の予約を入れたことなどが報告された。
質疑応答では、記者の質問対して馬奈木弁護団長から①和解協議になるかは情勢次第になる。(和解について具体的な言及があった訳ではない)②国の基金(案)では解決しないことの客観的な事実をつくっていくこと。③国は漁民が漁をやめることを待っており、沿岸漁業を壊滅させようとしていること。などの発言があった。
また、記者から結審し判決となった時の展望について質問があり、佐賀地裁判決と福岡高裁の逆転判決、最高裁の審理差し戻しなどを踏まえ、勝てると思っていることや国は2020年の予算でも、反則金については組んだが基金は組んでいないことなどが述べられ、今後は権利濫用と漁獲高の回復が審理の中心点となる旨の発言があった。国は引き延ばし作戦に出ていることや、今後の作業として国の漁獲高統計は首藤弁護士が担当する旨についても発言あった。
メッセージを寄せた国会議員:赤嶺衆議院議員、田村衆議院議員、紙参議院議員(共産党)原口衆議院議員、野田参議院議員(立憲)